こんにちは。
すっかり冬の気候になりましたね。夏より冬派なので少し嬉しいさわらです。
シルバースタインというメーカー。
ご存知の方も多いのではないでしょうか。ここ数年でリガチャーで一気に有名になりました。
↓こんなリガチャー。使っている人多いですよね。
シルバースタインのリガチャーは素晴らしい出来で、プロ・アマ問わず多くの方に使用されています。
“流行”を越えて、もはや定番として定着した感すらありますよね。
そんなシルバースタインから遂に樹脂製リードが発売!
あのシルバースタインですからね。これは期待できます!!
ということで早速試奏をさせて頂いたので、プロ奏者目線での率直な感想を書いていきたいと思います。
どんなリードなの?
今回、試奏してきたのはこちらのリード。
このリードの特徴をざっくりまとめると
▼“アンビポリマー”という水分を吸収する樹脂を使用
▼ケーンのリードのように馴染ませる必要がある
▼マウスピースのフェイシングやアンブシュアの位置、息の圧力を記憶する
▼削って調整することができる
という感じ。
これまでの樹脂リードとは違った角度から作られた感じがしますよね。
よくわからないけどなんか凄そうです。最先端!
日本語の詳しい商品説明はこちらの山野楽器さんのウェブサイトに記載されていますので、気になる方は覗いてみて下さいね↓
試奏してみる
さて、ということでいよいよ試奏です。
前述した通り、“AMBIPOLYMER(アンビポリマー)”という水分を吸収する素材で作られており、水に漬けてから吹くとのこと。
こんな状態で運ばれてきました。
白いんですね。感触はツルツルしていて普通の樹脂な感じ。レジェールとほとんど変わりません。
2〜3分水に漬けた後、余分な水分を拭き取り吹いてみます。
第一印象としては、とにかく反応が良い。そしてタンギングが楽です。
低音域から高音域までまんべんなく楽にタンギングができます。
特に高音域のコントロールが簡単にできますね。
“反応が良い”というのは樹脂リード共通の特徴ですよね。タンギングの感覚はレジェールと似ています。
簡単に楽に鳴るという点ではシルバースタインに軍配。
ただその分、音の深みがもうひとつ。物足りない印象でした。音色、音量の幅に関してはレジェールの方が上かなと思います。
リードの硬さ(厚さ)について
私は普段B40にV12の3.5を使用しているので、今回は
・3+
・3.5
・3.5+
の3つの硬さを試奏させて頂きました。
個体差もあると思うので一概には言えませんが、私の感想を参考までに。
3+
V12の3と同じくらいだと思います。
初心者の方はこのくらいから始めると良さそうです。私が吹くに薄すぎました。
3.5
V12の3.5と比べるとかなり薄く感じました。
V12で例えると3と3.5の間くらい。3寄りな感じ。薄めが好きな人には丁度良い抵抗感かもしれません。
これも私には少し薄かったです。
3.5+
3.5と比べるとかなり厚いです。
3.5と3.5+の差が大きく驚きました。V12も3.5と3,5+はかなり差がありますし…こんなものなのかな。
厚さ的にはV12の3,5+と同じか少し厚いくらいかなと思います。
残念ながら私には丁度良い厚さがなく…
今回は各1本ずつしか試奏できなかったので、もしかすると個体差がかなりあるのかもしれません。
もし私が本気で選んで買うなら3.5と3.5+両方の中から、丁度良いものを探す感じになるのかなと思います。
公式サイトに硬さの比較チャートがあります。
V12やレゼルブとだいたい同じ硬さに設定されているようです。
(公式サイトより引用)
削って調整できる
前述しましたが、このリード。なんと削れるらしいのです。
樹脂なのに削れるってすごいですよね。
メーカーのウェブページにも、
“アンビポリ・リードは水分を吸収するだけではなく、ケーンのリードのようにリードトリマーやサンドペーパーによって加工する事が可能です。”
という記述がしっかりあります。
自分好みの硬さや吹き心地に調整できるというのはクラリネット吹きにとっては大きいですよね。
私の場合だと(自分には厚めの)3.5+を購入して削るというのもアリかもしれませんね!
まとめ
今回吹いた印象を正直に書くと、現状ではまだレジェールの方が出来は上かなと思いました。
しかし、“AMBIPOLYMER(アンビポリマー)”という水分を吸い、削ることもできるという素材には今後かなり期待できる気がします。
レジェールも発売当初から比べると相当なレベルアップを果たして、プロ奏者が現場で使うまでになりましたし、シルバースタインもこれから多くのプレイヤーからのフィードバックや研究がされて洗練されていくのはないでしょうか。
今後に期待して、次期モデルをしばし待ちたいと思います。
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