吹奏楽コンクールシーズンが近づき、クラリネットパートの音作りやまとめ方で悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
クラリネットパートの音作りについて、数回に分けて解説したいと思います。
今回のテーマは役割を理解しよう編です!
吹奏楽におけるクラリネットは、EsCl・B管1st・2nd・3rd・BassClなどパートが細かく分かれています。
大編成だとAltoClやContraBassClまであることもありますよね。
クラリネットパートとしてまとまり、良い音を作り出すには思いやりが大切です。
まずは各々のパートの役割をきちんと理解すること。
自分の担当パートの役割はもちろん、他のパートの役割も理解しましょう。
そうすると「この場面はこうするとあのパートと音が合わせやすいかな」「こうしたらみんな迷わずに吹けるかな」と考えられるようになります。
そんな小さな思いやりの積み重ねが良い音を生み出すんですよ。
今回は吹奏楽におけるクラリネット各パートの役割をわかりやすくご紹介していきます!
B管
まずは一番人数の多いB管から。
1st
1stはクラリネットパートのリーダー的存在です。
クラリネットのみんなを引っ張っていく役割を担っています。時にはバンド全体を引っ張ることもあります。
常にアンテナを張って他の楽器の1stがどのように演奏しているのかよーく聞きましょう。
そして、その場に合った音量、音色、テンポ感、ニュアンスで演奏します。
「ここはこうやって吹くよ!ついて来て!」
とみんなに提示してあげるのが役割です。
どう吹いたら音楽が美しく響くか、バランス感覚を磨いて下さいね!
責任も大きいけれど、自分の吹きたいように吹けるパートです。
2nd
2ndは柔軟性が必要なパートです。
1stとユニゾンでメロディーを吹くこともあれば、その3度下のハモリパートを受け持つこともありますし、オブリガートや伴奏に回ることも少なくありません。
役割が目まぐるしく変わるパートなので、場面場面での「自分の役割」と「同じ動きをしている楽器」を瞬時に判断し、役割に応じた適切な演奏ができる能力が求められます。
こういう人がいないと物事はうまくいかないんです!
小さな変化によく気付く人、器用な人は2ndにぴったり。
3rd
巷ではどうも軽く見られがちな3rdパート。
実はB管全体の響きを支えるとっても重要なパートです。3rdがしっかり鳴ると響きがグッと締まります。
1stのオクターブ下や伴奏系を受け持つことが多いので一見地味ですが、太くて響きのある音を求められるパートです。
伴奏系だとサックス・バスクラ・ホルンなんかと同じパートを受け持つことが多いので、その辺りの楽器をよく聞いて演奏すると上手くいきますよ。
ふわっと吹く人よりゴリゴリ吹いちゃう人の方が合ってます!
特殊管
さて、ここからは特殊管です。
各特殊管にもそれぞれ重要な役割があるんですよ!
EsCl
EsClはクラリネットの特攻隊長。
音色が立ちやすく音量が出る楽器なので何を吹いても目立ちます。
特に高音を吹くときには常にソロ状態。もしくはピッコロとのデュエット状態になります。
そんな楽器なのでとにかく度胸のいるパートです。
ほぼ常にメロディーを担当し、1stクラリネット・フルート・ピッコロ・オーボエとユニゾンもしくはオクターブ上を吹くことがほとんどです。
特に難しいのはピッコロとのユニゾン。これはEsClの宿命です。
ピッコロの音をよーく聞いて、音程・音色をうまくピッコロとブレンドできるようにしましょう。
とにかく音程を取るのが難しいのがEsCl。
求められるのは良い耳。そして度胸です。
ソロはガツンと!ユニゾンでは周りと音をブレンドできる。
というのが上手なEsClさんですよ。
BassCl
BassClは木管低音の中核。
倍音がとっても豊かな楽器で、BassClがいるといないのではバンド全体の響きが全く違います。
低音パートとしてバリトンサックスやチューバに囲まれて吹くことが多いと思いますが、音量ではそれらの楽器には到底敵いません。
BassClは音量ではなく低音に「芯のある響き」と「倍音」を加える役割です。
木管楽器ならではの「輪郭」もプラスできるとさらに良いですね。
他の低音楽器に音量で対抗しようとする余り、音が開いたり硬くなってしまっている人をよく見掛けます。
ある程度バリっと吹くことは必要ですが、音色が犠牲にならないよう気を付けて下さいね。
また、BassClは向き不向きがはっきり別れる楽器です。
プロでもBassClは吹けない、苦手という人は意外と多いのです。
上手い下手とはまた違う、適性の問題です。
B管と持ち替えてもあまり違和感がない、何も考えずとも最初からスムーズに音が出せたという人はBassCl適正有りですよ!
ContraBassCl
ContraBassClもBassClと同じく倍音たっぷりの楽器。
チューバとユニゾン、またはオクターブ下ということが多いです。
役割は低音に「響き」と「倍音」を加えること。
役割的にはBassClと似ていますが、BassClでもカバーできないさらに低い音域を出せるのが強みです。
ほぼ同じ音域のチューバに響きをプラスするつもりで吹くとうまくいくと思います。
決して音量では対抗しないで下さいね。
ContraBassClはリードミスが非常に起こりやすい楽器なので、息を入れすぎずコンパクトに吹くことを心掛けて吹くと良いですよ。
この音域を出せる木管楽器はContraBassClくらいなので、弱奏で低音が必要な場面で重宝されます。
そういう場面で繊細に良い音で演奏できるようになればこっちのものです。
まとめ
今回は各パートの役割に焦点を当てて解説しました。
クラリネットには細かく沢山のパートがありますが、どのパートにも大切な役割があります。音作りの参考にしてみて下さいね!
▼クラリネットパートの音作り!シリーズ