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新しいクラリネットを買ったら 〜上手な楽器の慣らし方〜

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新しいクラリネットを購入したとき、もう気持ちはウキウキワクワクですよね!
それと同時に「どう扱ったらいいんだろう」「割れたらどうしよう」という不安な気持ちもあると思います。

嬉しくて新鮮でいつまでも吹いていたくなる気持ち。とてもよくわかります。
でもそこは楽器の為にグッと堪えて、ゆっくりと楽器を慣らしてあげましょう。

今回は新しい楽器を迎えいれたときに私がやっている楽器の慣らし方をご紹介します!

 

 

なぜ慣らし作業が必要なの?

クラリネットの管体はグラナディラという天然木で出来ています。
制作過程でグラナディラは何年もの長い乾燥期間を経ており、新品のクラリネットは言ってみればカラカラのスポンジのような状態なのです。

そこに水分たっぷりの人間の息を吹き込むとどうなるでしょう。
グラナディラの管体はその水分をどんどん吸い取ってあっという間に膨張してしまうんです。
さらに人間の息は温かいので、温められることにより管体はダブルパンチで膨張します。

新しい楽器はとにかく膨張しやすいので、慎重に水分や温度変化に慣れさせていく必要があるんです。
天然の木材ですので全く膨張しなくなるということはないのですが、使い込めば使い込むほど安定し、環境変化に強くなっていきますよ。



割れの仕組みや原因についてはこちらの記事で詳しく解説してますので是非読んでみて下さいね。 


 

実際に新しい楽器を慣らしていこう

《 STEP 1 》 初日に吹く時間は10分だけ


さて、いよいよ具体的なクラリネットの慣らし方です。

人によってペースや方法は様々ですが、私の場合は10分からスタートします。
そこから1週間毎に10分ずつ増やして行きます
1週目は10分、2週目は20分、3週目は30分という具合ですね。
4週目以降は楽器の様子を見ながら時間を増やしていきます。

最初のうちは10分前後で膨張してしまう楽器も珍しくありませんので、注意深く楽器と対話するような気持ちで息を吹き込みましょう。

吹いていて息が入りづらくなったり、音がボソボソしだしたら要注意です。
そういう症状が出たら管体が膨張しているということですので、すぐに吹くのをやめて下さい。楽器を片付け、ケースにしまいましょう。

 

《 STEP 2 》 60分吹けるようになったらとりあえずはひと安心


様子を見ながら徐々に時間を増やしていくと、ほとんどの楽器は1ヶ月〜2ヶ月程で吹奏感の変わらない(膨張しない)まま60分吹けるようになります。
ここまできたら、最も割れやすい期間は脱したことになります。

 

《 STEP 3 》 3ヶ月程で慣らし作業は完了


いくら割れやすい期間を脱したと言っても、いきなり2〜3時間というような長時間吹き続けるのは危険です。
60分くらい吹いたら、そのあと15〜30分くらいは楽器を休ませるようにしましょう。
適度に楽器を休ませながらゆっくり楽器を慣らしていって下さい。3ヶ月程で慣らし作業は完了です。


 

注意したいこと

慣らし作業中に注意して欲しいことがいくつかあります。

スワブはこまめに

スワブはできる限りこまめに通すようにしましょう。5〜10分に1回くらい。

 

管体に水分を残さない

楽器を片付ける際にはとにかく管体に水分を残さないよう心掛けましょう。
特にトーンホールやジョイントは要注意です。

・楽器を分解する前にスワブを2〜3回通す
・トーンホールに溜まった水をあぶらとり紙で取る
・ジョイントに溜まった水をガーゼ等の柔らかい布で取る

 

ジョイント部分がキツくなったら

慣らしていくうちにジョイント部分が膨張してキツくなることがあります。
そんなときには無理に分解・組み立てはせずに、購入した楽器店等に相談しましょう。無理をすると割れの原因になります。

 

楽器の調整

新しい楽器は管体だけでなく、使われているコルクやタンポも全て新品ですので、馴染むまで状態が変化しやすいです。吹きにくくなったり、突然音が出なくなってしまうことも少なくありません。

大抵の楽器店では最初の1年は修理保証が付いているはずですので、ある程度安定するまでは楽器調整に何度か行きましょう。買って2〜3ヶ月後に1回、半年後に1回行くだけでもかなり安定するはずです。

それでも割れてしまうことはある

過去記事でも説明していますが、天然の木材ですので個体差があります。
割れやすい材と割れにくい材があり、それはもう運でしかありません。

今回ご紹介している慣らし方は割れる可能性を最大限低くする為のものです。
できる限り割らずにクラリネットを吹いていく為にも是非楽器を大切に扱ってあげてください。
万が一割れてしまった場合にはすぐに吹くのを辞め、速やかに楽器店で修理をして下さい。

 

おわりに

いかがでしたでしょうか。

各々の楽器に合ったペースというものがあります。
膨張しやすい楽器の場合はもっと慎重に慣らしていった方が良いですし、反対に早めてしまっても問題ない楽器もあります。
私が現在使っているB管は当初かなり膨張しやすかった為、通常より長く慣らし期間を取りました。そのお陰か(?)、割れることなく絶好調な状態で使用できています。

皆さんも自分の楽器の様子をよく見極めて慣らしてみて下さい。大切に扱えばきっと楽器も応えてくれますよ!


過去記事でおすすめのお手入れグッズを紹介していますので、まだ買い揃えていない方はこちらも参考になるかもしれません。